高田崇史

QED〜ventus〜 鎌倉の闇
講談社ノベルス
定価 760円(税別)

「“神”は三種類に分類される……まず第一が、大自然。次は祖霊。最後は、時の朝廷に対して戦い、恨みを呑んで亡くなっていった人々」。 銭洗弁天、鶴岡八幡宮、御霊神社……鎌倉をそぞろ歩く奈々、沙織の棚旗姉妹に、桑原崇が説く「鎌倉=屍倉」の真実! 源三代にまつわる謎の答えが、闇の中に白く浮かび立つ!!(裏表紙より)

平安時代の次は鎌倉時代ということで、鎌倉時代の特集です。
日本史はまともにやってないんで、鎌倉時代初期のことはさらっと流してしまったせいか、知らないことだらけでした。
今回の奈々ちゃんは妹の沙織ちゃんに良いところを持っていってしまわれたので、少々物足りなかったです。

歴史というのは、ventusのようだ。結局は我々の意図とは無関係に大空を流れていく……。
P175 下段 L16〜

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QED 竹取物語
講談社ノベルス
定価 840円(税別)

“鷹群山の笹姫様は……滑って転んで裏庭の、竹の林で右目を突いて、橋のたもとに捨てられた。” 不吉な“手鞠唄”が残る、奥多摩は織部村。この村で、まるで唄をなぞったような殺人事件が発生。 崇は、事件の本質を解き明かすべく、「竹取物語」の真実から「かぐや姫」の正体にまで迫る。まさに「QED」の真骨頂!(裏表紙より)

平安時代総集編というべき話だったような気がします。飛びに飛んでここまで来るかーって感じです。 ほとんど理解はしてませんけどね(←ダメダメ)
今回はタタルさんと奈々ちゃんに進展がなかったのは少々寂しいです。

私たちは、いつからこんな場所に来てしまったのだろう。
P13 上段 L6

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QED 式の密室
講談社ノベルス
定価 700円(税別)

密 室で、遺体となって見つかった「陰陽師の末裔」。“式神”を信じる孫の弓削和哉は他殺説を唱えるが……。 果たして、崇の推理は事件の謎解くばかりか、時空を超えて“安倍晴明伝説”の闇を照らし、“式神”に真を射貫き、 さらには“鬼の起源”までも炙り出す。これぞ、紛うことなきQED!(裏表紙より)

前回のラストでの外嶋さんからの質問“『通りゃんせ』の意味”に、きちんとタタルさんが答えてくれています。 回答放置じゃなくて一安心(笑)
ただ、ラストが“続く”と書きたくなるような終わり方だったので、つなぎの話になってしまっている気が。
でも、陰陽師、そして安倍晴明についての蘊蓄は面白かったです。

「五位未満は、『人』じゃないんだよ」
P125 上段 L17

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QED 東照宮の怨
講談社ノベルス
定価 840円(税別)

「日 光東照宮陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神」「北斗七星」そして「三十六歌仙絵連続強盗殺人事件」。 東照宮を中心軸とする膨大な謎は、ひとつの無駄もなく線でつながり、時空を超えた巨大なミステリは、 「深秘」を知る崇によって見事解き明かされる。ミステリ界に屹立する「QED」第四弾!!(裏表紙より)

今回は歴史ミステリィに戻って、テーマは六歌仙からの関連で(?)三十六歌仙。 六歌仙ですら微妙なのに、三十六歌仙なんて全く知らないですよ。読んでもあんまりわかってないしね(苦笑)
東照宮の謎も明かされるのですが、もっとビックリするような解決が欲しかったです。
今回も解決のヒントを奈々ちゃんが与えているわけですが、これからも奈々ちゃんには良いワトソン役でいてほしいです。 タタルさんがビックリするような一言をぜひ(笑)

全ては必ず崩壊していく。
そして、それこそが歴史だ。
P57 下段 L16〜

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QED ベイカー街の問題
講談社ノベルス
定価 800円(税別)

次々と惨殺されるシャーロキアン。「ホームズ譚」の解釈を巡る諍いが動機なのか? ダイイング・メッセージを読み解き犯人像に迫る、桑原崇の推理は?
ホームズに隠された驚くべき秘密を発見した時、連続殺人犯が浮かび上がった! 文献を駆使し、大胆な発想でミステリの新たな地平を拓く、「QED」第三弾! (裏表紙より)

奈々ちゃんに強力なライバル出現、でいいですよね?緑川さんは強敵だと思います(笑)
ホームズ研究としては面白いと思うのですが、最近ミステリィらしい本格に興味を感じないせいか、あまり魅力を感じず。
でも、小説としては面白かったんですよ、言い訳がましいですが(苦笑)

「犯罪の動機など、強いて上げれば、『ものみな精霊が宿る』我々の世界だから一精霊の悪戯、とでもいうのだろうな」
P15 下段 L12〜

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QED 六歌仙の暗号
講談社ノベルス
定価 本体980円(税別)

「明邦大学・七福神の呪い」−−大学関係者を怯えさせる連続怪死事件は、歴史の闇に隠されていた「呪い」を暴こうとする報いか!? ご存じ、桑原崇が膨大な知識を駆使し、誰も辿り着けなかった「七福神」と「六歌仙」の謎を解き明かす。 そして浮かび上がった事件の真相とは?前作「百人一首の呪」に続く驚異のミステリ!(裏表紙より)

“タタルさん=ハンサム”が証明されたということで、奈々ちゃんが何となく思わせぶりに(笑) この先二人の関係は進展する…んですかね?
途中まで「六歌仙」のろの字も出てこなかったので、どうなるのかと思いましたが、やっぱり読み出したら止まりませんでした。 蘊蓄に流されるだけ流されると段々気持ちよくなってきます(笑)
今回、タタルさんは奈々ちゃんに隙をつかれて詰まるところがありましたが、完璧じゃないことがわかって何だか嬉しかったです。

「何時の世も人の暮らしはかくありなん−−だ」
P227 下段 L17

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QED 百人一首の呪
講談社ノベルス
定価 本体920円(税別)

希代の天才・藤原定家が残した百人一首。その一枚を握りしめて、会社社長は惨殺された。 残された札はダイイング・メッセージなのか?関係者のアリバイは証明され、事件は不可能犯罪の様相を呈す。 だが、百人一首に封印された華麗なる謎が解けたとき、事件は、旋律の真相を地上に現す!(裏表紙より)

高田先生のデビュー作にして第9回メフィスト賞受賞作品です。この作品で高田先生にはまりました。
文系人間としてはこういうものに強くなくちゃいけないんでしょうけど、 新しい蘊蓄を披露されるたびにびっくりするばかりでした。
ラストの百人一首と百人秀歌が綺麗に並べられた表には本当に驚かされました。 でも、何度あの綴じ込みの表を本から切り離したくなった事か…。
白状すると、あの表がなければ多分3分の2近くはわからないままだったと思います。 今度読むときは、この本とは別に百人一首のリストがあると便利かと。

−−漢方薬は、人類史上、おそらく最大の帰納法に違いない。
P173 上段 L17〜

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QED 龍馬暗殺
講談社ノベルス
定価 本体880円(税別)

人の住んでいる家は四軒しかない、高知の山奥にある蝶ヶ谷村。 嵐による土砂崩れで、麓への一本道が塞がれる中、殺人と自殺の連鎖が十人の村人たちを襲う。 村を訪れていた崇、奈々たちは否応なく事件に巻き込まれるが、その最中、龍馬暗殺の黒幕を決定づける手紙の存在を知り……。 博覧強記・崇の推理は悲劇の輪廻と、龍馬殺害に纏わる最大の謎を時空へ解き放つ!(裏表紙より)

第9回メフィスト賞受賞にしては、最近の読者にメジャじゃない高田先生のQEDシリーズの一作です。
私的にQEDシリーズは歴史ミステリィにすべきじゃないかと思っています。
この作品でも、幕末の歴史や龍馬暗殺に関する謎が探偵役のタタルさんによって蕩々と語られていて、 作品中で起こっている事件よりも、歴史上の謎の方が大きく取り上げられていますし。
こっそりと少しずつ進展しているかもしれない、タタルさんと奈々ちゃんの関係に注目してみても面白いかもしれません。

しかし、本当にいつの時代でも−−。
人は、このような差別なしには生きて行かれないのだろうか?
P320 下段 L9〜

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